「慈悲」ということばを聞くと、
むずかしそうに感じるかもしれません。
でも、実はわたしたちが毎日をすごす中で、
すぐに取り入れられるやさしい教えです。
この記事ではブッダの「慈悲」という考え方を通じて、
人間関係がやわらぐヒントをお届けします。
慈悲って、どんな心?
「慈」は、相手がしあわせでありますようにと願う心。
「悲」は、相手の苦しみをなくしてあげたいと願う心。
どちらも、相手のことを思いやるあたたかい気持ちです。
でも、ただ「相手にやさしくしなさい」
という意味ではありません。
まずは、自分の心に気づき、
落ちつけるところから始まります。
まずは気づくことから
たとえば、職場で同僚にきつい言い方をされたとします。
そんなとき、すぐに言い返したくなるかもしれませんが、
そこで一度、深呼吸してみましょう。
「わたしはいま、悲しくなっているな」など、
自分の”気持ち”つまり感情を確かめます。
小さなことかも知れませんが、
この「気づき」が、心をしずめてくれます。
やさしい言葉をえらぶ
感情が落ちついたら、次はことばを選びます。
「どうしてそんな言い方をするの?」ではなく、
「なにかあったの?」と相手に聞いてみる。
また、「悲しい気持ちになった」と、主語を「わたし」にして話す。
すると、相手もあなたの感情を理解しやすくなり、
理由や自分の気持ちを話しやすくなるかも知れません。
これは、ご家庭でも同じです。
たとえばあなたのお子さんが忘れものをしたとき、
つい「なんで忘れるの!?」と責めてしまいがちですが、
「どうすれば忘れないようにできそう?」と聞いてみましょう。
するとお子さんも、
「怒られた」「責められた」とは感じずに済み、
いっしょに対策を考える(前を向く)きっかけになりますね。
小さな行動をしてみる
ほかにも慈悲の心は、
日々のほんの小さな出来事から生まれます。
要は「あなた自身の心があたたかくなる行動」を
選ぶことが大切です。
ほんの小さな”気遣い”、たとえば、
- 電車で席をゆずる
- 前を歩いていた人の落とし物を拾う
- 逆になにかしてもらったとき、相手の目を見て「ありがとう」を伝える
- ふだん掃除しないところも念入りにきれいにしてみる
- 調子が悪そうな同僚に、ちょっとした差し入れをする
なんでも良いのです。
相手もあなたも笑顔になれる、
そんな行動を意識してみましょう。
まとめ
そして大切なのは、
自分にもやさしくすることです。
疲れているときは、
「きょうはここまででいい」と自分をゆるします。
自分の心にゆとりがあると、
自然とまわりにもやさしくなれます。
慈悲は、むずかしい修行ではなく、
毎日のちいさな選択から始まります。
きょうは一日ひとつ、「やさしいこと」をしてみましょう。
それだけであなたの心があたたかくなり、
人間関係も少しずつやわらいでいきます。
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