眠れない夜。
不安が頭の中でぐるぐると回り、
体は疲れているのに目が冴えてしまうことはありませんか。
そんなとき、わたしたちの心は
「なんとかしなくちゃ」と焦りながらも、
実はとても敏感で、弱っている状態です。
今日は、そんな夜に試したい方法や、
心をやさしくなでるような視点をご紹介します。
不安が止まらないのは”生きる力”のあらわれ
まず知っておきたいのは、不安という感情は
わたしたちを守ろうとする働きから生まれている、ということです。
未来のことを心配するのは、
危険を避けて生き延びるための本能。
つまり、不安は「生きる力のサイン」でもあるのです。
仏教では「心はサルのように跳ね回る」と例えられます。
未来や過去をあれこれ想像しては、落ち着かず、揺れ動く。
それが人間の心の自然な姿だと知るだけでも、
「ああ、わたしだけじゃないんだ」とほっとできます。
からだの感覚に意識を戻す
不安が強くなると、思考が暴走してしまいます。
(特に夜中は、変なことを考えがちですよね…)
そんなときは、意識を体に戻してみましょう。
- ゆっくりと深呼吸する
- 手や足の温かさ、重さを感じる
- ふとんの感触を意識する
このように”いま、ここ”に戻るだけで、
思考の嵐はいったん落ち着きます。
仏教の瞑想でも、
呼吸を数えるだけのシンプルな方法が重視されます。
呼吸に意識を向けることは、
心をいまにとどめる練習になるのです。
不安を書き出して、見える形にする
頭の中に不安を抱えていると、
どんどんふくらんでいくように感じます。
そんなときは、紙やスマホのメモに不安を書き出してみてください。
明日のプレゼンが心配…
将来のことを考え出すときりがないけど不安…
わたしはみんなにどう思われているんだろうか…
このように書き出してみると、
「あれ、こんなに単純だったのか」と思えることがあります。
自分の感情を「見える化」して眺めると
不安の輪郭がはっきりして対処できることと、できないことが見えてきますよ。
感情の奥を見つめる
ここで少し、「不安」という気持ちを深堀りをしてみましょう。
不安の奥には、どんな気持ちが隠れているでしょうか?
「失敗したくない」という願い
「人に嫌われたくない」という寂しさ
「ちゃんとやらなきゃ」という責任感
不安は「こうなってほしい」という願いの裏返しでもあります。
その願いを自分で認めてあげると、心がやわらぎます。
わたしは今、安心したいんだね
わたしは愛されたいんだね
こんなふうに、心に寄り添う言葉をかけてみてください。
誰かに共感してもらえたような、あたたかさがきっと広がりますよ。
小さな安心の習慣をつくる
夜、眠れないときのために、
「これをすると落ち着く」という習慣を持っておくと安心です。
小さなことで良いのです。
なにかルーティンになるような習慣を決めてみましょう。
- ハーブティーや白湯を飲む
- 落ち着く音楽をかける
- やさしい香りのアロマをたく
これらは脳に「今は安全だよ」と伝えるサインになります。
仏教のことばに「心静かなれば、世界も静か」という教えがあります。
小さな習慣が心を落ち着けてくれて、
世界の見え方まで変えていくのです。
眠れなくても自分を責めない
そして一番大切なのは、
「眠れない自分を責めないこと」です。
眠れないと「明日つらいぞ」「ちゃんと寝なきゃ」と焦り、
さらに眠れなくなる…そんな悪循環に入ってしまいます。
「眠れない夜もあるよね」とゆるすこと。
たとえ睡眠時間が短くても、眠れなくても、
横になって目をつむっているだけで、脳も体も回復します。
もし夜中に目が覚めたら、
「今は静かな時間を楽しもう」と思うくらいでちょうどいいのです。
まとめ
不安で眠れない夜は、
心が未来を心配している証拠です。
- 呼吸に意識を向ける(数えるのもおすすめ)
- 紙に気持ちを書き出す
- 小さな安心の習慣を持つ
これらを実践していくと、
少しずつ心は落ち着いていきます。
仏教では「すべてのものごとは移ろう」と説かれます。
眠れない夜も、やがて朝が来るとともに過ぎ去ります。
だからこそ、眠れない夜は
あなた自身をやさしく抱きしめる時間にしてみてくださいね。


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